これは私がアークスになる少し前のお話――。
「おい、エコー」
誰かが呼ぶ声が聞こえた。この声はよく聞いたことのある声…ゼノだった。
ゼノとエコーはよくパーティを組むことが多かった。これは2人が幼馴染だからという理由が主だろう。しかし、いつも足手まといになっているので、ゼノと一緒に調査や探索に行くのは少しだけ怖くも感じているらしい。
「どうしたの、ゼノ?また調査に行くの?」
「いや、今日は少し違う話なんだが…。今度、新しく後輩が来るだろ?」
そうだ、確かあと1週間後…?くらいに惑星ナベリウスにて修了任務というものがある。エコーやゼノももちろん通ってきた道だ。その時もエコーはゼノと一緒にペアを組んでいたのだ。
「懐かしいわね。でも、どうしたの?」
「いやー、懐かしいし、暇ならその日に一緒にナベリウスに行かないかと思ってな!」
ゼノが新しく後輩が来るのを見に行こうとするのは毎年恒例のことになりつつある。
「まあ、毎年のことだからね。いいわよ」
それのためだけに私に話しかけてきたのだろうか…、エコーは一瞬そう思ったがそれであれば修了任務の前日くらいに「おいエコー、明日の修了任務ついてくるよな?」という感じに誘ってくるはずである。エコーには大体検討はついていた。
「ところであの…えっと…。き、今日はいい天気だな!」
「そうね」
「今日は14日だな」
「そうね」
「甘いもんとか食いたいかな…」
「私は別にいいかなあ」
「そうか…」
何がほしいのかはエコーにもわかっている。そりゃ日にちが日にちですから。エコーはちょびっと意地悪をしてみたくなってしまった。
「何か欲しいものでもあるの?」
「あ、いや…。何でもねえよ…」
期待していたモノはもらえそうにないか…とゼノは少し落胆していたように見えた。
わかりやすいなと思いながら、エコーは手作りのチョコレートを出した。
「はい、ゼノ。ちゃんとあげるわよ」
「…サンキュ、エコー」
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~あとがき~
修了任務は「A.P.238/2/20」です。
つまり数日前の14日…
リアルの方でも間近なあれです(笑)
本当は、投稿はその日にしようと思ったのですが、ちょっと野暮用で…(´-ω-`)
まあ、こちら側も不定期で投稿しようと思いますのでよろしくお願いしますね!
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